脂肪幹細胞培養療法
脂肪幹細胞培養療法は、美容や再生医療の分野で注目されている先進的な治療法です。この療法では、患者自身の身体から少量の脂肪を採取し、その中から幹細胞を分離して数千万から1億個ほどに培養します。
この培養された脂肪幹細胞は、再び脂肪に混ぜて患者が希望する特定の部位に注入され、様々な治療効果をもたらします。今回はこの脂肪幹細胞培養療法について解説します。
脂肪幹細胞培養療法とは


脂肪幹細胞培養療法とは、ご自身の脂肪細胞を培養して注入し、様々な効果をもたらす治療法です。
腹部から脂肪を少しだけ採取し、分離した幹細胞(脂肪幹細胞)を数千万から1億個ほどに培養したものを、主に点滴静注などで体内に戻します。
培養を行うことで、通常の脂肪注入に比べ生着率が高く、長期的な持続効果が期待できます。
脂肪幹細胞とは
脂肪幹細胞(または脂肪由来幹細胞、ASC)とは、脂肪の中に存在する細胞です。
失われた細胞を再生させる幹細胞の一種で、特に脂肪への分化能力が優れています。
脂肪減少を感知すると新しい脂肪細胞を作り出し、さらに脂肪内の血管生成を助け酸素や栄養を供給し、生着率を向上させます。
通常の脂肪注入は、体内で脂肪が分解・吸収されやすく、生着率は約20%とされています。この20%の生着も、脂肪に含まれるわずかな脂肪幹細胞の作用によるものですが、脂肪幹細胞を培養して注入すると、生着率は70〜80%と大きく向上し、減少がほぼ見られません。
また、幹細胞が成長因子を放出することで、肌の真皮に働きかけ、肌のハリの改善や若返り効果も期待できます。
自分自身の脂肪を使用するため、安全性が高く、しこりや副作用のリスクもほとんどありません。
こんなお悩みにおすすめ
脂肪幹細胞培養療法は以下のような方におすすめです。
- アトピー性皮膚炎でお悩みの方
- 顔のしわやくぼみを改善したい
- 若々しい肌を取り戻したい
- ヒアルロン酸注入を繰り返すことが負担になっている
- レーザー治療では満足いく効果を感じられなかった
- 長期的な効果のある治療がしたい
- 脂肪注入でのリスクが心配
期待できる効果
- しわやくぼみをふっくらと自然に改善できる
- 肌のハリや弾力を取り戻し、若々しい印象を与える
- 脂肪幹細胞注入は一度の施術で長期的効果があり、頻繁なメンテナンスが不要
- 深いしわにも幹細胞の培養効果による直接的な改善が期待できる
- アトピー性皮膚炎に伴う様々な症状の改善(かゆみ・乾燥肌・赤みや腫れ・発疹や湿疹・皮膚の厚みや色素の変化
脂肪幹細胞培養療法は、体自身の幹細胞を利用することで高い安全性を保ちながら自然な仕上がりを期待できるとともに、維持が難しい年齢による変化にも対応できる将来性のある治療方法として注目されています。
脂肪幹細胞培養療法のメカニズム

脂肪幹細胞培養療法は、脂肪組織から抽出された幹細胞を用いて、組織の修復や再生を促す医療技術です。この療法のメカニズムを以下に詳しく説明します。
まず、患者の体内から脂肪組織を採取します。一般的には腹部や太ももなどから脂肪を採ることが多いです。この脂肪組織から脂肪幹細胞を分離します。
分離された脂肪幹細胞は、専用の培養液を用いて増殖させます。この培養液には、細胞の増殖と分化を促進する成長因子などが含まれており、幹細胞が活性化して増殖します。
脂肪幹細胞は、細胞の状態を活性化する成長因子を分泌します。これらの因子は、組織の修復や新しい細胞の生成に重要な役割を果たします。
培養された脂肪幹細胞は、医療的に必要な部分に注入されたり、点滴などを用いて体内に戻されます。例えば皮膚に注入することで、肌の再生を促進し、シワやたるみを改善するのに寄与します。また、関節や筋肉に注入することで、組織の再生を促し、痛みや機能障害の改善を図ることもあります。
幹細胞とその分泌因子が注入された組織では、新しい細胞の生成や既存の細胞の修復が促進されます。このプロセスを通じて、組織の機能が回復し、外科的手術を必要としない治療法として注目されています。
脂肪幹細胞培養療法は、その再生能力を生かして、様々な医療分野での応用が期待されている先進的な治療法です。
脂肪幹細胞培養療法の料金
脂肪幹細胞培養療法 | 料金 |
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1回 麻酔代、採血含む |
2,750,000円(税込) |
※細胞の培養数や保管期間等によって多少料金が前後いたします。詳しくはカウンセリング時にご相談ください。
施術概要
施術時間 | 脂肪採取(切片採取・脂肪吸引):60分程度、点滴静注など:1時間程度 |
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痛み | 麻酔をするため、ほとんどありません。 |
洗顔・メイク・入浴 | 洗顔とメイクは当日から可能ですが、患部は強く擦らないようにしてください。 入浴は翌日から可能です。 |
ダウンタイム | ・脂肪採取の傷跡は小さく目立ちませんが、赤みが見られます。個人差がありますが、1ヶ月程度の時間をかけて徐々に消えていきます。 ・点滴静注など戻したあとは、腫れや赤み、内出血が見られることがありますが、通常1〜2週間で消えていきます。 |
再生医療等提供計画
厚生労働省に第二種再生医療等提供計画を提出し、受理されました。これにより脂肪幹細胞を用いた以下の治療が可能になります。

自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いたアトピー性皮膚炎の主症状の治療
施術の流れ




・脂肪採取時に使用する麻酔薬に対して過敏症のある方
・妊娠している可能性のある方
・治療担当医師が本再生医療の施行を不適当と認めた方
・20歳未満、または85歳以上の方 ・直近6ヶ月以内の病原性微生物検査(HIVや梅毒など)で陽性の方
よくある質問
ここからは、脂肪幹細胞培養療法についてのよくある質問に回答します。